| ロシア市場規模

ロシアのeコマースの市場環境は、他のヨーロッパ諸国と比較すると少し遅れを取っております。
インターネットの普及率が低く、決済方法に関しては、現金での支払が多いのが現状です。
市場規模は、モバイル普及率の増加もあり、拡大を続けております。
但し、2017年のインターネット普及率の予測は、利用者が1億人を超えて、約70％と予測されます。

| ロシア基本情報

・2015年EC取引流通額：228億ドル
・人口：146,267,000人
・15才以上の人口：12,180万人
・GDP：$11,339億ドル
・GDPに占めるイーコーマスのシェア ：1.84％
・平均年齢：39.1 歳
・起業しやすい国の世界ランキング：51位

| インターネット事情

・インターネット利用者人口：8,580万人（70％）
・スマートフォン普及率　世界ランキング：20位（45％）
・EC（イーコマス）を通じて商品購入経験者：3,000万人（25％）
・Facebookの利用者人数 ：1,100万人

| 小売店の動向

情報通信関連の小売店・メーカーは、2015年には平均して商品の売価が20％を上昇しましたが、価格を抑えるためのプロモーションを続け、人気の高く・品質の高い商品を提供しています。
一方、eコマースストアでは、プロモーションを続ける資金的な余裕がないため、継続してプロモーションが出来ず、消費者を引きつけるために、自動車関連のパーツ商品、DIY、美容などの新商品をカテゴリとして増やことで、各カテゴリーでの販売数を増やしました。既存のカテゴリーの15％にも上るシェアを占めました。

| ロシアのEC（イーコマース）市場の展望

ロシアの消費者は、他国と比較して、セール品等の価格の割安感よりも、ブランド・製品の品質・耐久性を重視しています。
金融（銀行）システムへの信頼性が他国より低いため、貯蓄傾向ではなく、多くの消費者は収入の約80％以上を消費します。
アンケート調査によると、世界中では26％の人が、買い物を楽しいと感じているのに対し、ロシアでは16％の人と低いです。また、ロシアでは、買い物をする理由の多くは、家族のために行われることが、上位を占めています。
家族は、ロシアの生活においてはとても重要で、買い物の習慣に影響を与えています。ロシアの消費の半数以上（53％）が、家族全員で定期的に買い物に出かけています。（世界中では45％）それに比べ、ロシアでは、自分自身のために買い物をするのは、3分の1（32％）だけです。

| 越境EC取引（Cross Boarder）動向

中国セラーがロシアでの販売が急速に広がっております。多くの商品は、ロシア国内と比較して、海外で購入する方が安いのが現状です。
2014〜2015年は、ルーブルの価値が、半分になったため、欧米諸国の比較して競争力を失いました。
ロシア国民が海外で購入する、もう一つの理由として、多くの製品が国内市場で入手できないか、少なくとも見つけにくいということです。
そのたため、中国製の商品も安く、配送日数も比較的早く、中国セラーが運営するサイトの信頼性も高まっています。

| その他、決済方法・関税等

ロシアでのeコマースの決済は、およそ75％は、カードまたは電子マネーによって行われます。
他のカードが優位の市場とは異なり、ロシアではデビットカード（約40％）です。これはクレジットカード（6％）の約7倍です。
カードの内訳をみると、Visaは61％で最もシェアが高く、次にMasterCard（36％）、その他の地方カード（約3％）と続きます。
商品代引きサービスは依然として大きな市場シェアを占めています、クレジットカード・デビットカードの保有者が増えることで、今後は代引きでの決済がの減少が期待されます。